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第10次北西太平洋鯨類捕獲調査で得られた調査副産物の販売について

平成15年11月27日
財団法人 日本鯨類研究所


1.販売数量

(財)日本鯨類研究所は、国際捕鯨取締条約第8条第2項に則り、


(1) 第10次北西太平洋鯨類捕獲調査で得られた調査副産物1,346.2トン(ミンククジラ100頭分、ニタリクジラ50頭分、イワシクジラ50頭分の鯨肉等)を、下記の区分毎の数量で販売する。


(単位:トン)
ミンククジラ ニタリクジラ イワシクジラ マッコウクジラ
(1) 公益用 68.8 99.6 159.1 - 327.5
(2) 市販用 91.3 124.5 209.9 - 425.7
(3) 加工用 123.0 188.7 279.7 - 591.4
(4) 特殊規格品 1.6 - - - 1.6
284.7 412.8 648.7 - 1,346.2

市販用は、11月28日から2月25日までの期間に、それぞれ各都道府県の過去の消費実績と現時点での消費実態を考慮して算定される数量を、その卸売市場を通じて販売する。
なお、マッコウクジラ10頭分の鯨肉等については別途検討中。


(2) 鮎川沖沿岸域鯨類捕獲調査で得られた調査副産物(ミンククジラ50頭分)の冷凍品42.4トンは、数量が少ないため札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡の6大都市で販売する (なお、生鮮品赤肉35,271.63kgはすでに網走、釧路、牡鹿、和田、太地の5市町及び全国の市場で販売した)。

2.販売価格

当研究所からの販売価格(卸売価格)は、中心となる規格のミンククジラ及びニタリクジラの市販用赤肉で1kgあたり2,600円とし、イワシクジラのそれは2,800円とした。 なお、ニタリクジラの脂須子及び鹿の子1級を各300円、イワシクジラは各900円、3種類の白手物類の一部を50-400円引き下げた。

3.取得金の利用方法

調査副産物を販売して得られる取得金は、鯨類捕獲調査の実施費用に充当される。

4.適切な流通の確保

当研究所が販売するミンク、ニタリ、イワシ、マッコウ鯨肉製品は、公的な性格を持った調査副産物であり、また、その供給量は需要に対して著しく少ない状況にある。 このような情勢を考慮し、国民各層に対して公平に、かつ廉価で配分する必要があるとの観点に立って、有識者及び関係者からなる検討会にて鋭意検討を重ねた。 さらに販売方法については、水産庁の指導を得ながら勉強会を開催し、また、総合食料局流通課からも流通関係者に販売が公正に行われるよう指導願うとともに、 当研究所も販売に関する説明会を開催すること等により、より幅広く国民各層に鯨肉が適正な価格で公平に行き渡るよう努めている。


(参考)第10次北西太平洋鯨類捕獲調査(JARPNII)について

北西太平洋におけるミンク鯨の系群構造の解明、並びに水産資源の複数種一括管理の実現を図るための手法を策定する一環として、鯨類の摂餌生態を解明することを主目的とした調査を実施した。 なお、第10次調査は平成15年5月13日から平成15年8月13日にかけて実施し、ミンク100頭、ニタリ50頭、イワシ50頭、マッコウ10頭の標本を採集した。
また、今年度はJARPNIIの一環として鮎川港を中心とした半径30マイル内の沿岸域で、小型捕鯨船4隻を使用して捕獲調査を実施し、平成15年4月10日から平成15年5月2日にかけて、ミンク50頭の標本を採集した。


2003年北西太平洋鯨類捕獲調査(JARPNII)のプレスリリース(http://www.icrwhale.org/02-A-26.html)参照

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