(財)日本鯨類研究所は、第15次南氷洋鯨類捕獲調査で得られた調査副産物1,929トン(ミンククジラ440頭分の鯨肉)を、国際捕鯨取締条約第8条第2項に則り 下記の区分ごとの数量で販売する。
1. 公益需要向け(地方自治体や啓発事業用等): 273トン
2. 一般市販用 : 558トン
3. 加工原料用 : 1,068トン
4. 特殊規格品 : 30トン※
一般市販用は、7月31日(水)から8月31日(土)までの期間に、各都道府県の過去の消費実績及び現状の需要実態を考慮して算出される数量を、その卸売市場を通じて販売する。
※ 今回より導入した区分で、需要の拡大や価格の安定等を目的に生産する。15南赤肉では、150g、500g、1kgのものを生産した(従来品は15kg)。
当研究所の一般市販用卸売価格は、赤肉で1kg当たり2,600円としたのをはじめ、今年度北西太平洋調査副産物価格と同一である。 なお、加工用は14南販売価格に比し平均8.9%値上げした。
調査副産物を販売して得られる取得金は、鯨類捕獲調査の実施費用に充当される。
当研究所が販売するミンク鯨肉製品は、公的な性格を持った調査副産物であり、また、その供給量は需要に対して著しく少ない状況にある。 このような情勢を考慮し、販売方法については、水産庁の指導を得ながら勉強会を開催し、また、総合食料局からも流通関係者に販売が公正に行われるよう 指導願うとともに、当研究所も販売に関する説明会を開催すること等により、幅広く国民各層に鯨肉が適正な価格で公平に行き渡るよう努めている。
(参考)第15次南氷洋鯨類捕獲調査について
南氷洋における鯨類捕獲調査は、同海域に存在するミンククジラの資源管理に必要な情報を得ることを目的として実施しており、その成果は 国際捕鯨委員会(IWC)に於いて、各国の研究者から高い評価を受けている。なお、第15次調査は平成13年11月29日から平成14年3月9日に かけて実施し、440頭の標本を採取した。