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2026年IWC/日本共同 北太平洋鯨類目視調査の実施について
−IWC/POWER調査航海:調査船の出港−


2026年7月13日
指定鯨類科学調査法人
一般財団法人 日本鯨類研究所


1. 経緯

本調査はIWC(国際捕鯨委員会)と日本が共同で実施しているもので、IWCでは通称IWC-POWER (International Whaling Commission/Pacific Ocean Whale and Ecosystem Research )と呼ばれています。この調査は、2009年度まで南極海で行われていた成功例として世界的に高い評価を得ているIWCの調査計画IWC/SOWER(International Whaling Commission/Southern Ocean Whale and Ecosystem Research:南大洋鯨類生態系調査、1996/97年度〜2009/2010年度)での経験と実績を踏まえ、そのノウハウ等を活用して、IWC科学委員会の主要研究計画に基づき、2010年度より毎年夏期に実施されています。

昨年までの16年間の調査はIWC-POWERフェーズI(短期計画)と位置付けられ、主に北東太平洋の広域を対象に実施されました。過去数十年にわたり広域的な鯨類目視調査が行われていなかった北緯40度以北のアラスカ湾海域では、この16年間で多数のナガスクジラやイワシクジラなどが発見されました。また、遺伝学的サンプルの空白域であった北極海のチュクチ海では多数のコククジラのバイオプシー標本が採集されました。また、北緯40度以南では多くのニタリクジラやマッコウクジラが発見されるなど、これらの鯨種の客観的な資源評価に貢献する貴重なデータが収集されました。さらに、希少種であるシロナガスクジラやセミクジラの分布情報も得られ、多くの成果とともにフェーズIは完了しました。

今回の第17回調査航海は、フェーズIの成果を踏まえ、IWC-POWERプログラムのフェーズII(中長期計画)の初年度として位置付けられます。フェーズIIは、テクニカルアドバイザリーグループ(TAG)での検討に基づき、北太平洋における大型鯨類の管理・保全に資する客観的な資源評価をさらに発展させることを目的としています。

本年の調査は、全行程を公海上で実施し、2021年にも調査が行われた北緯40度以北・西経155度〜西経135度の海域を対象とします。本調査には日本2名・米国1名・韓国1名の合計4名の国際調査員が参加し、7月17日から10月5日にかけて調査を実施します。


2.調査計画の概要

本調査は、IWCと日本の共同調査であり、IWC科学委員会がその計画の策定を行い、同委員会内に設置されたPOWER運営グループ(コンビーナー:松岡耕二・(一財)日本鯨類研究所)が計画の立案と結果の分析を主導します。また、当研究所が水産庁から委託を受け、調査航海を実施します。本年の調査計画の概要は、以下のとおりです。


2.1 主要調査目的:

(1) ザトウクジラの資源評価に関する情報の収集

(2) 希少種であるシロナガスクジラ、セミクジラの分布、系群構造に関する情報の収集

(3) 資源情報が不足しているその他の鯨類資源について資源量と系群構造に関する情報の収集

(4) 中長期計画の継続的発展に必要な海洋データ(海水温、漂流物等)を含む基礎情報の収集

(5) 海洋熱波("The Blob"、2014-16年)の影響を受けた海域に関する情報の収集


2.2 調査期間:

2026年7月17日−10月5日(81日間)


2.3. 調査海域:

北緯40度以北・西経155度〜西経135度の公海(図1)。

アラスカのコディアック港に寄港し米国調査員の乗下船や調査資材の積下ろしを行います。

調査海域図

図1. 2026年の調査海域(緑色;公海)、調査コース(青色太線)、往復航海コース(黒色)。


2.4. 国際調査員:

IWC科学委員会が指名した下記の4名の調査員によって調査が行われます。

勝俣 太貴; 調査団長、日本・東京鯨類研究所

Bernardo Alps; 米国・IWC選任国際調査員

In-Woo Han; 韓国・韓国国立水産科学院 鯨類研究所

鈴木ひより; 日本・日本鯨類研究所


2.5. 調査船 :

第二勇新丸(747トン、(株)共同船舶所属、、野島茂船長以下16名)


2.6. 実施機関 :

(一財)日本鯨類研究所


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