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小型無人航空機(UAV)を活用した新たな鯨類調査手法開発への取り組みについて
−Japan Drone 2021への出展のお知らせ−


令和3年6月4日
指定鯨類科学調査法人
(一財)日本鯨類研究所


当研究所がかねてから開発を進めてきた鯨類航空目視調査へのUAV活用に関して、下記の通り、Japan Drone 2021にて開発成果の発表と機体の展示を行うことになりましたので、お知らせいたします。


展示会名称:Japan Drone2021|第6回 −Expo for Commercial UAS Market −

会期:2021年6月14日(月)〜 16日(水)10:00-17:00

会場:幕張メッセ(千葉市)

主催:一般社団法人 日本UAS産業振興協議会(JUIDA)


当研究所は、2019年より小型無人航空機(UAV)を活用した、新たな鯨類調査手法の開発に取り組んできました。 大型調査船上で運用するため、VTOL-UAV(垂直離着陸型・自律型無人航空機)を新規開発し、南極海を含む外洋域で試験を実施してきました。

2021年3月には、北太平洋上において、小型UAVによる飛行距離日本記録となる51kmの目視外自律飛行を達成、三河湾内にて、航行中の調査船上から離発着をおこない、スナメリ(ネズミイルカ科スナメリ属に属する小型のイルカ)を対象とした計6回の航空目視調査(総距離71.2km)を実施し、スナメリ3群4頭の発見・識別に成功しました。

注)我が国の推進する「空の産業革命に向けたロードマップ」で規定されるレベル3飛行(無人地帯での目視外飛行・補助者の配置無し)の条件における飛行距離国内記録となります(弊所調べ)。


現在、鯨類の目視調査は熟練した目視観察員(複数名)によって、船上からの目視による鯨種や頭数の判定が行われていますが、今後、熟練監察員の不足や目視の限界(鯨類の見逃し等)を補完するUAVの活用が期待されています。 また、UAV の活用により、浅海域や漁具の設置海域、そして南極海のポリニア(定着氷内に形成された池状の開氷域)等の調査船調査が困難な海域においても、上空から目視データや環境データ等を収集することが可能となり、より広範な海気象状況や海域から情報を得て精緻な資源研究が進められるものと考えています。 今回開発された機体は、海上の強風、船体の揺れ、船上の磁気擾乱や電波障害、極地の地磁気偏差など、これまでの試験で直面した数々の障害に対策が施された結果、船上での安定運用が可能となっており、行動範囲は極地を含めた世界中の海洋にまで広がるため、今後の南極海鯨類資源調査(JASS-A)など様々な調査での運用を計画しています。


新規開発されたVTOL-UAV主要目:

名  称 : 試製 「飛鳥」(ASUKA) 改四

全  長 : 1,920mm

翼  長 : 2,500mm

全  高 : 620mm

本体重量 : 12.44kg

航続距離 : 約100km(レベル3飛行での実績51km)

最高速度 : 160km/h

ペイロード : 最大5kg

耐航性: 風速20kt下で通常運用可能、風速40kt下で水平飛行状態維持可能

開 発 元 :( 一財)日本鯨類研究所

その他: 核心技術について特許出願中


ドローン

写真1. VTOL-UAV「飛鳥」機体


ドローン2

写真2. 調査船から垂直離昇発進中のVTOL-UAV「飛鳥」


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