日本政府は 2016年11月に、北西太平洋鯨類科学調査計画案(NEWREP-NP:ニューレップエヌピー)を策定して、国際捕鯨委員会(IWC)科学委員会に提出しました。 本計画案は、日本沿岸域におけるミンククジラのより精緻な捕獲枠算出と、沖合におけるイワシクジラの妥当な捕獲枠算出に必要な情報を収集することを目的としており、その後、IWC 科学委員会によるレビューを受けた上で、2017年6月に最終化され、同年より開始されました。
NEWREP-NPは、沖合調査(本調査)と沿岸域調査から構成されており、日本鯨類研究所は沖合調査の調査実施主体となっています。 日本政府によるIWC脱退ならびに本年7月1日の商業捕鯨再開の決断に伴い、NEWREP-NPとしての活動は、6月30日で最後となります。
目視専門船勇新丸及び第三勇新丸は5月10日に下関港を出港して6月8日に同港へ帰港、第二勇新丸は5月11日に塩釜港より出港して6月26日に同港へ帰港、それぞれ目視調査および衛星標識装着やバイオプシー(皮膚標本採取)などの非致死的調査を実施する予定です。 調査海域は、北緯35度以北、日本沿岸から東経150度までの北西太平洋(IWC管理海区の7WR及び7E海区)の一部海域及び北緯41度以南、日本海の一部海域(同6E海区)(図1)です。
図1. 2019年NEWREP-NPにおける目視専門船の調査海域。勇新丸は7WR、第二勇新丸は6E海区、第三勇新丸は7E海区を調査する。
3.1. 調査実施機関
指定鯨類科学調査法人 日本鯨類研究所
3.2. 調査船と乗組員数、計56名
目視専門船 勇 新 丸 (724 トン 葛西 英則 船長以下 19 名)
目視専門船 第二勇新丸 (747 トン 大越 親正 船長以下 19 名)
目視採集船 第三勇新丸 (742 トン 阿部 敦男 船長以下 18 名)
3.3. 調査員
勝俣太貴(日本鯨類研究所 調査研究部観測調査研究室研究員) 他5名