2000年から実施しています第二期北西太平洋鯨類捕獲調査(JARPNII:通称 ジャルパン・ツー) では、鯨類が消費する餌生物の種類や量、鯨類の餌生物に対する嗜好性などを調べて鯨類の摂餌生態を解明するとともに、それらの相互関係を基にした生態系モデルの構築を進めて、鯨類を含む日本周辺の水産資源の包括的管理に貢献することを主目的にあげて取り組んでいます。
昨年、国際司法裁判所(ICJ)による第二期南極海鯨類捕獲調査(JARPAII)の判決を受け、北西大西洋の調査(沿岸調査及び沖合調査)についても、調査目的を限定して実施することになりました。
これに加えて、非致死的調査の調査を充実させて、実行可能性に関する検証を行うことになりました。
それに伴い、捕獲対象鯨および標本数を変更しています。
本年も、昨年と同様の調査を実施予定です。
日新丸は、6月11日に土生港より、勇新丸及び第二勇新丸は6月12日に東京港より出港し、捕獲調査を実施する予定です(8月下旬終了予定)。
また、第二昭南丸は、6月9日に下関港から出港し、鯨類の目視調査を中心とする非致死的調査に従事します(8月上旬終了予定)。
調査海域は、従来通り北西太平洋北緯35度以北、日本沿岸から東経170度までの北西太平洋(7、8、及び9海区)の一部海域(図1)です。
今次調査でも、非致死的手法による調査を充実させ、実行可能性に関する検証を行います。
このため、昨年と同様、標本数は、イワシクジラ100頭(内10頭は非致死的手法で実施、捕獲せず)及びニタリクジラ50頭(内25頭は非致死的手法で実施、捕獲せず)を予定しています。
一般財団法人 日本鯨類研究所
調査母船 日 新 丸 ( 8,145トン 江口 浩司 船長以下97名)
目視採集船 勇 新 丸 ( 724トン 佐々木 安昭 船長以下18名)
目視採集船 第二勇新丸 ( 747トン 阿部 敦男 船長以下19名)
目視専門船 第二昭南丸 ( 712トン 小川 知之 船長以下19名)
調査団長 坂東 武治((一財)日本鯨類研究所 調査研究部室長)他7名の計8名
(参考) 国際捕鯨取締条約第8条(抜粋)
1.この条約の規定にかかわらず、締約政府は、同政府が適当と認める数の制限及び他の条件に従って自国民のいずれかが科学的研究のために鯨を捕獲し、殺し、及び処理することを認可する特別許可書をこれに与えることができる。
2.前記の特別許可書に基づいて捕獲した鯨は、実行可能な限り加工し、また、取得金は、許可を与えた政府の発給した指令書に従って処分しなければならない。