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シーシェパード裁判で上級裁判所へ控訴


共同プレスリリース
2012年4月11日
財団法人日本鯨類研究所
共同船舶株式会社


昨年12月、(財)日本鯨類研究所と共同船舶株式会社(以下「我々」とします)は、米国ワシントン州連邦地方裁判所にて、シーシェパードとポール・ワトソンに対して妨害差止を求め提訴するとともに、その暫定差止命令を求めていたところ、同裁判所は、3月19日に我々の申し立てを棄却する決定を下しました。


我々は、本日、この裁判所の決定を不服として、米国第九巡回控訴裁判所にその決定の再審理を求める上訴を行いました。
その理由は以下のとおりです。


1.裁判所は、暫定差止命令を棄却した理由として以下を挙げています。

(1) 「妨害差止を行えば、捕鯨が継続され公益に反する」。(捕鯨の是非に関わる公益性)

(2) 「これまでシーシェパードの妨害によって深刻な被害は起きておらず、とりかえしのつかない損害が起きる可能性が低い」。

(3) 「原告は豪州裁判所命令に違反している」。(捕獲調査が豪州の主張する「鯨聖域内」で行われており、豪州の裁判所が、それを国内法違反とする裁定を下している)


2.我々は、上記について以下の点で納得できないため上訴しました。

(1) 公益性について:

鯨類捕獲調査は、国際捕鯨取締条約に基づく条約上の権利であり、米国もこの条約を批准しています。また、日本が実施している捕獲調査は、鯨資源に全く悪影響を及ぼさないレベルで実施されています。
この条約を順守することこそが公益にかなうものであり、乗組員に危害を加える行為は公益に反するものと考えます。
我々は捕獲調査の是非については、本訴訟の審理に関係がないと考えます。なぜなら、我々が求めているのは、唯一、海上で働く我々の従業員の安全が確保されることだからです。

(2) 深刻な被害の可能性について:

シーシェパードは、船を衝突させたり、プロペラ損傷を狙ってロープを曳航したり、酪酸等の入ったガラス瓶を投げるなど、危険な行為を8年間行ってきました。過去の妨害により深刻な被害が起きていないのは、我々の乗組員が、妨害中になるべく甲板に出ないようにしたり、防護ネットを張るなどの徹底した予防措置をとってきたからに過ぎません。
シーシェパードの妨害は毎年エスカレートしており、この妨害を止めない限り、いつか取り返しのつかない生命に係る事態に至る可能性があります。

(3) 豪州裁判所命令への違反について:

豪州は南極大陸への領土権を主張していますが、米国は日本同様、その主張を認めていません。言い換えれば、係争中の領土内に「鯨聖域」を豪州が宣言する権利をアメリカも日本も認めていないのです。従って、米国の裁判所が、公海での領土権問題に係る豪州の法廷の決定に従うことは不適切と考えます。


我々は、以上の理由により、我々が求める暫定差止命令を認めなかった裁判所の判断の正否を明らかにするため、上級裁判所にすることを決定しました。


我々は捕鯨の是非を米国で争うつもりはありません。我々が求めるのは唯一、海上で働く我々の従業員の安全が確保されることです。


上級裁判所が、適正な判断を下すことを切に希望します。


以上


シーシェパード裁判で上級裁判所へ控訴

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