1月18日午前0時10分頃から2時頃(日本時間)までの間、第二期南極海鯨類捕獲調査(JARPAII)船団に属する第二勇新丸(YS2)は、反捕鯨団体シーシェパード(SS)所属の妨害船スティーブ・アーウィン号(SI号)による妨害を受けた。
午前0時10分頃、SI号から降ろされたゴムボート2隻に乗ったSS活動家がYS2に接近し、ボートからYS2のプロペラや舵を狙ってワイヤーや鉄塊を装着したロープを船首直前に6回投入した他、ロープのついた鉄製のかぎ爪(スマル)を船に数回投げつけた。また、ボートから刺激物が含まれている可能性のある塗料瓶約30本を乗組員に向けて投擲した他、ランチャーを使用して船に撃ち込んだ。
さらにSS活動家は、舷側で警戒する乗組員の目前でナイフをかざし、YS2がプロペラ保護のために取り付けている器具の固定ロープを切断した。
YS2はこれに対し、ボートの接近と妨害活動を思いとどまらせるために放水を行った他、投入されたロープがプロペラに到達する前に回収するよう努めた。また、ボートの活動家によるナイフを使った破壊行為に対しては、竹竿を用いて押し返した。
これらの妨害行為により、乗組員2名が塗料を浴びたが怪我はなかった。また船体の損傷は現在まで確認されていないが、YS2が侵入者防止用に船首側に設置したフロート1個がSSによって持ち去られた。
SSが行っている暴力的な妨害活動は、調査捕鯨に従事する我が国の船舶および乗組員の生命・財産を脅かすものであり、破壊、窃盗などの行為に至っては海賊行為に等しく、到底許されるものではない。
日本が実施しているJARPAIIは、国際捕鯨取締条約に基づく合法的な調査活動である。 当研究所は、SI 号の旗国であるオランダおよび港を提供しているオーストラリア等の関係国が、SSの一連の犯罪的行為を放置すること無く、利用可能なあらゆる手段を講じて厳正に対処することを強く求める。
以上
(左から)乗組員の眼前にナイフを向ける活動家/ワイヤーや鉄塊を装着したロープを調査船の船首に投下するSSボート