反捕鯨団体シーシェパード(SS)所属のスティーブ・アーウィン(SI)号を追航監視していた、第二期南極海鯨類捕獲調査(JARPAII)船団所属の第2昭南丸(SM2)は、 SS所属のアディ・ギル(AG)号に12月23日午前0時30分頃(日本時間)から約3時間半にわたり、激しい妨害を受けた。
AG号は、SM2船首直前を衝突寸前の距離で走り回り、船尾からロープを曳航して、SM2のスクリューや舵を狙った攻撃を仕掛けた。 また、SM2乗組員に向けて頻繁にレーザー光線を照射し、ランチャーのような発射装置を使ってSM2に向けてボール様の物体を撃ち込んできた。一連の攻撃でSM2乗組員に被害は出なかった。
SI号は攻撃に参加せず、この間にSM2の追跡を振り切ろうと逃走したが、AG号がその後何らかのトラブルを起こした模様で午前4時頃停船し、攻撃が中断されたため、SM2はSI号の追航監視を再開した。
AG号の妨害行動は、SI号の暴力的な妨害を上回る悪質なものである。AG号は衝突の危険を顧みず高速でSM2にまとわりつき、最接近距離はわずか20mであった。 また、肉眼に照射すれば失明の恐れのある高出力のレーザーを頻繁に照射し、ランチャー様の発射装置を使うなど、乗組員を直接狙った犯罪的な行為が平然と行われている。
当研究所は、SSがIWC加盟国の一致した非難と自制の要求を無視して、調査船と乗組員の安全を脅かす危険な暴力行為を繰り返すことを強く非難するとともに、 ただちにこのような行為を止めるよう改めて要請する。また、AG号の船籍国であるニュージーランド及びSI号の船籍国であるオランダは、ただちに該船の船籍を抹消し、その犯罪行為に対して厳正に対処することを強く要望する。 これらの船に事実上の母港を提供しているオーストラリアは、該船が入港した際には利用可能なあらゆる手段を講じ、SSの暴力行為が再発しないよう努めるべきである。