本日未明、シーシェパード活動家らは南極海における鯨類捕獲調査に従事している調査船に対して執拗な攻撃を加えた。 妨害船スティーブ・アーウィン号に付属する2隻のボート上の活動家らは、浮子付きのロープを海中に投げ入れてスクリューの不動化を試みたり、酪酸等の入ったビンを調査船に投げ込んだりするなど、悪質な暴力行為を繰り返した。 今回の攻撃は午前5時過ぎ(日本時間)から約5時間に渡って続けられた。今回の襲撃による我が方調査船団の怪我人等は報告されておらず、また調査船の運行にも支障は生じていない。
今回攻撃を受けたのは目視採集船の勇新丸及び第3勇新丸と調査母船・日新丸だった。調査船からの報告によると、投げつけられたビンには染料入りのものと酪酸入りのものがあった。 また活動家らは浮きの付いたロープを3回にわたり海中に投げ込み、調査船のスクリューを止め、航行できなくしようとした。 幸いにも調査船がロープを巻き込む事故は回避できたが、活動家らは投げ込んだロープを回収しなかったため、調査船側が回収した。 南極海域においてこのような危険物を投棄することは我が方調査船のみならず、この海域を航行する他の船舶の安全や付近に生息する海洋生物を脅かすものであり、決して容認できない。
このような攻撃に対して我が方調査船は、双方の船舶と人員の安全に最大限の配慮をして、活動家らが調査船に近づかないようにするための放水を行った。 なお、活動家らの自己宣伝や一部報道にあるような、我が方調査船が活動家らに対して金属性の物体等を投げつけたというような事実はない。
活動家による我が方調査船に対する攻撃は、昨年12月26日の海幸丸攻撃、本年1月6日の行方不明者捜索妨害に引き続き、今次航海中3回目である。 日本鯨類研究所は日本政府及び関係各国に対して、このような海上交通への脅威が放置されることのないよう、関係当局が速やかに適切な措置を講じることを強く求める。
国際捕鯨取締条約(ICRW)の第8条はIWC加盟国が科学調査の目的のため鯨類捕獲の特別許可を発給することができると明確に規定している。 「乗組員の安全を脅かすこのような妨害活動は許されないものと考える。条約はIWCの規則が科学的根拠に基づくべきと義務付けているため、鯨類資源の科学調査を行なうことは重要だ」と日本鯨類研究所森本稔理事長が述べた。