写真: 左からレイ・ギャンベル博士、ダン・グッドマン嘱託、大隅清治博士(日本鯨類研究所にて)
前・国際捕鯨委員会(IWC)事務局長のレイ・ギャンベル博士は本日、東京の(財)日本鯨類研究所を訪問した。 その際に長年の友人である理事長の大隅清治博士との会談で、ギャンベル博士が先の会見で英国放送協会(BBC)の記事に対する評言を繰り返した。 ギャンベル博士は、日本が実施している鯨類捕獲調査から得られた貴重な科学データはIWC科学委員会によって役立っており、捕獲調査計画は国際捕鯨取締条約のもとで完全に合法的であると明言した。 また、ギャンベル博士は鯨資源に係わる多くの調査項目は、非致死的な方法だけで実現できないと述べた。
日本の鯨類捕獲調査への抗議としてグリーンピースは現在宣伝キャンペーンを行っており、時期的に偶然の一致だが、鯨類捕獲調査に関するギャンベル博士の見解は、グリーンピースのこれまでの主張を直接的に否定するものである。
大隅博士はギャンベル博士との会談で、グリーンピースが実施しているキャンペーンに触れ、反捕鯨団体であるグリーンピースはその募金活動の一環として、捕鯨に関する情報を意図的に歪曲して、人々に誤解を生じさせていると述べた。 また、大隅博士はグリーンピースを「環境テロ団体」と特定した。
ギャンベル博士は外務省主催の「捕鯨紛争と海洋管理国際シンポジウム」に参加するため訪日している。 このシンポジウムでギャンベル博士は「捕鯨:その過去、現在および未来」と題して明日講演する予定となっている。 ギャンベル博士はロンドン自然史博物館海洋科学研究所鯨類調査班で鯨の生活史の研究に従事した。 IWC科学委員会メンバーとして1965年から、科学委員会関連の会合に参加し、マッコウクジラの生物学や鯨類の年齢査定に関する複数の特別会合も召集している。 1965年から1975年の間IWC英国代表団の科学顧問などを務めていた。
1976年5月にIWC事務局長に就任し、世界規模の捕鯨産業と国際的な鯨類科学調査の管理に深く携わった。 2000年9月に事務局長を退任。現在は捕鯨問題に関する講演、執筆作業に携わる。 1994年には鯨類保護と生物学での貢献に対し、英国女王より勲章を授与された。 著作・論文多数。