南氷洋時間1月15日の夜より日本鯨類研究所(東京)は、当方調査船への侵入者をシー・シェパードの船舶であるスティーブ・アーウィン号に送還するため、同船に対して連絡を試みている。
日鯨研理事長・森本稔は「侵入者の返還にあたり、第二勇新丸の乗組員や科学者の安全が確保されなければならず、引渡しの際の条件を示したのはそのためである」と述べた。
引渡しの際、スティーブ・アーウィン号は日本船団から少なくとも10海里離れていなければなない。侵入者の引き渡しには、彼らが第2勇新丸に違法に乗船してきた時と同じく、ゾディアックボートが使われることになる。
その間スティーブ・アーウィン号は所定の位置で停船しなければならず、ヘリコプターも同船のデッキ上に留まっていなければならない。
今般、日本側はこの侵入者2名をシー・シェパード側に送還するとの決定を下した。 しかしこれは、この両名が日本籍の船舶に違法に乗船したことについて今後日鯨研、あるいは他の日本の機関が何らかの法的措置を執る可能性を否定するものではない。
森本理事長によれば、東京の日鯨研を通じてスティーブ・アーウィン号に連絡をとる試みが2日間に渡ってなされてきたが、 シー・シェパードからはいまだに日鯨研への正式な応答がない。その間にシー・シェパードは、日鯨研が示した送還の際の条件についてメディアに対し虚偽の誤った情報を流し、日鯨研の書簡の趣旨を歪曲して伝えた。
森本理事長は「2名の侵入者の送還は日鯨研が指定した方法で行われなければならない。 これは日本側の乗組員と調査船の安全を確保するための措置である。日本の乗組員の保護が最優先であり、シー・シェパードは引渡しが行われる間、調査船団に対する妨害行動を起こさないと同意しなければならない」と述べた。