・調査期間35日間(4月14日から5月18日)に、ミンククジラ60頭(雄23頭、雌37頭)を捕獲した。
・捕獲調査船によるミンククジラの発見数は94群96頭(1日隻あたり1.07頭)であり、調査前期(4月14〜30日)及び後期(5月15〜18日)は、仙台湾中央部の海域、中期(5月1〜14日)は鮎川港から約30マイル南方の海域が発見の中心であった(図2)。

図2.ミンククジラの発見捕獲位置(●:発見・捕獲個体、○:発見個体)
なお、調査期間中には、5月1〜7日及び5月11〜15日の2回、低気圧や台風の影響で捕獲が無かった期間があり、前・中・後期間は、この荒天による海況の変化を基に設定した。
また、ミンククジラ以外の大型鯨では、ザトウクジラ及びシャチの発見があった。
・捕獲されたミンククジラは妊娠雌6個体を含み、小型から大型の個体まで広く採集された。
60頭の組成は、雄は23頭で平均体長5.67m (4.07-7.78)、平均体重2.31t (0.77-4.91)、雌は37頭で平均体長5.91m (4.13-8.12)、平均体重2.65t (0.86-5.70)であった。
また、前期及び後期には、未成熟個体が卓越しており、中期のみ成熟個体の来遊があった(図3)。

図3.捕獲したミンククジラの性・成熟別組成
・捕獲された個体から観察された胃内容物を表1に示す。
餌生物が観察された49個体の内、47個体がイカナゴ(メロウド及びコウナゴ)であり、全体の96%を占めた。
2003年から開始された5回の調査の中で、ミンククジラの胃内容物からコウナゴが観察されたのは、今年が始めてであった。
胃内容物重量の平均値は30.0kg、最大で79.8kg、体重比(2.43トン)3.2%であった。。
| 主要餌生物種 |
4/14-4/30 |
5/1-5/14 |
515-5/18 |
計 |
| メロウドのみ |
22 |
7 |
3 |
32 |
| コウナゴのみ |
5 |
1 |
5 |
11 |
| メロウド主要、コウナゴ混 |
0 |
1 |
0 |
1 |
| コウナゴ主要、メロウウド混 |
2 |
0 |
1 |
3 |
| カタクチイワシ |
0 |
0 |
1 |
1 |
| イサダ(ツノナシオキアミ) |
1 |
0 |
0 |
1 |
| 空胃他 |
7 |
2 |
2 |
11 |
| 合計 |
37 |
11 |
12 |
60 |
表1.ミンククジラの胃内容物から観察された主要餌生物種
・コウナゴを利用していたミンククジラ11個体の内、10個体が未成熟であった。
コウナゴを捕食していたミンククジラの平均体長は5.38m (4.13-7.45m)、メロウドを捕食していたミンククジラの平均体長は6.09m (4.27-8.12m)であり、小型個体がコウナゴを利用する傾向がみられた。
また、捕獲された位置は、メロウドを利用していた個体と比べても沿岸側であった(図4)。

図4.コウナゴ及びメロウド利用していたミンククジラの分布
これらのコウナゴ利用個体の分布域は、餌環境調査の計量魚単調査結果(図5)とも一致するものであった。

図5.餌環境調査結果:計量魚探によるコウナゴ反応の分布状況
(宮城県水産技術総合センター春漁情報第4報より、平成20年5月2日)