調査団の構成

調査の目的

1991年の第43回国際捕鯨委員会科学小委員会(IWC/SC)において、北西北太平洋ミンククジラ資源の包括的評価が行われました。
また1993年からはIWC/SCが新たに開発した改訂管理方式(RMP)をこの資源に適用するために必要となるシミュレーション・トライアルの作業が開始されました。この作業部会では、先の包括的評価においてなされた日本海−黄海−東シナ海系群(J系群)及びオホーツク海−西太平洋系群(O系群)の2つの系統群が存在するとの合意に対して、一部の科学者よりこれまでの知見ではこれを決定するには十分ではないとして、これらの系群がさらに幾つかの亜系統群に分かれる可能性や西太平洋の沖合域にはさらに別の系群(W系群)が存在し、O系群と混合しているとの仮説が提案なされたため、実質的なトライアル作業を進めることが困難となりました。
しかしながら、提案されたこれらの仮説については、これまでの研究結果から判断しても、科学的妥当性はどこにも見出せないものでありました(Hatanaka, Kato and Ohsumi, 1994)。

 このため、日本国政府は「北西北太平洋ミンククジラの系群解明調査計画」を立案し、1994年に開催された第46回IWC/SCに提出した。この調査計画は北西北太平洋のミンククジラの系群構造を明らかにして、作業部会で提案された仮説の妥当性を検証することを目的として計画されたものです。
系群構造の解明のためには、外部形態や骨学などの形態学的研究に加えて、近年進歩の著しいmtDNAやアイソザイムなどの遺伝学的解析によって明らかにすることが可能ですが、亜系群、すなわち同一の繁殖集団ではあるが分布が異なる場合などでは遺伝学的情報よりむしろ分布域やその餌環境を反映する摂餌環境など生態学的研究や汚染物質の蓄積などの環境科学的な研究及び寄生虫調査などからの情報が有用となります。
この調査ではこれら多方面にわたるデータと解析結果から、仮想されたW系群やO系群内の亜系群などの存在の有無を総合的に検討することになっています。




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